第4回インタビュー「DAOのルール整備を通じて非営利セクターの課題に挑む」
日本DAO協会で活躍されているメンバーの方に、協会での活動に参加したきっかけやDAOの魅力についてお伺いする連載企画。第4回目は、フリーランスで仕事をしながらレップホルダーとしてルール周りの整備を中心に協会運営を支えているSunaさんにインタビューしました。
プロフィール: Suna さん
日本DAO協会レップホルダー
フリーランスとして日本における暗号資産を利用した寄付の実践や税制の提言、DIDやIPコンテンツに関するプログラムの推進などを行う傍ら、立ち上げ準備から日本DAO協会に携わっている。
目次
暗号資産寄付の推進の傍ら、DAOルール整備にも取り組む
ーー 日本DAO協会でのお名前を教えてください。
Sunaです。元々はSolana(主要なブロックチェーン)関連で別のアカウント名で活動していました。Rule Makers DAO(RMD)に関わるようになったときに、本名から取った今のアカウント名で活動しています。
ーー 日本DAO協会以外ではどのようなお仕事をしていますか?
現在、私はアジア圏を中心に移住生活をしており、フリーランスとしてさまざまな業務を行っています。
具体的には、日本における暗号資産を利用した寄付の実践と、それに基づく税制の提言、またDID(分散型ID)、KYC(本人確認)、IPコンテンツ、ファンロイヤリティに関するプログラムの推進などを受託しています。
もともとNPO畑にいた経験から、日本では暗号資産を利用した寄付に関する税制が未整備であり、NPOの帳簿開示で課題になるケースがあると感じています。こうした背景から、日本DAO協会に関わることになりました。
ーー 日本DAO協会ではどんなお仕事を担当されていますか?
主に日本DAO協会でチームになっていない仕事を担当しています。
例えば、
- ルールチームでのガイドライン、DAOの認証、賛助会員の参加フローの作成
- 日本DAO協会の定款、規定の整備
などです。 こうやってみるとルール周りの整備が多いですね。
ーー ルールの作成は協会に関わる前からしていたのですか。
2023年にRMDでNPOの定款の研究を始めたのが最初なので、1年ぐらいです。
ーー 日本DAO協会では月にどれくらいの時間動いていますか。
1週間で15時間ぐらい活動しているので、月60時間ぐらい活動していますね。
最近は月に20時間は会議になっているので、会議の時間は少なくしたいですね(笑)。
DAOを使って、日本の非営利セクターの課題を解決したい
ーー 日本DAO協会に参加したきっかけを教えてください。
2023年3月にRMDで暗号資産の寄付のプロジェクトに関わったのが最初のきっかけです。
僕がやりたかったことは、財団の助成金をNPOなどへ分配する際、従来のように審査員が決定するのではなく、多くの人が意見を述べられる仕組みに変えることでした。
その手段の一つの選択肢としてDAOがあると考え、日本DAO協会に参加することにしました。
NPO時代には主に開発経済分野でソーシャルインパクト評価を専門としていました。
実践と研究を重ねる中で、既存の専門家を中心とした統計的なインパクト評価は厳密で効果的な資金分配ができる一方で、実際に社会で生きる人たちのニーズと価値観はもっと多様で、それに対応できる新しい意思決定メカニズムが必要だと強く感じるようになりました。
そんな中で出会ったのが分散・参加型の意思決定を行うDAOであり、既存の補助金などと共存しうる多元的な社会課題解決のための資金分配の仕組みを実現したいです。
現状日本の非営利セクターは信頼されていない部分があり、アメリカに比べて寄付金が少ない状況です。 そういった課題をブロックチェーンやDAOを使って解決できればと思っています。
ーー 日本DAO協会に入って良かったことがあれば教えてください。
よかったことですか?
うーん、もともと日本のWeb3業界で繋がりがなかったのですが、協会に入って繋がりができました。
今後非営利セクターでの暗号資産の寄付を日本で動かすときに互いに協力できる人と繋がれたことが良かったです。法律に詳しい弁護士の方や、税制関係の専門の方が協会にたくさんいるのは大きいですね。
あと、私のような海外に住んでいて何者かわからない人であっても、重要なことを任せてもらえていることがよかったことですかね。
人に左右されないルールでの組織運営こそがDAOの魅力
ーー SunaさんにとってDAOの魅力はなんだと思いますか。
個人的にはDAOの要素としてたくさんの人が入って分散化されていることや、リワードトークンを配るといったことは(DAOの魅力とは)違うと思っています。
アルゴリズムが分散的であること、言い換えるとプログラマブルにプロトコルが脈々と進められることがDAOであると思います。
そういう意味では、人に左右されないルールで組織が動いていることがDAOの魅力ですね。
ーー ありがとうございます。最後に日本DAO協会に入ろうと考えている方に一言お願いします。
僕自身も元々はDAOについては素人でした。
日本DAO協会に参加し、DAOに詳しい素晴らしい方々と出会えて、活動できています。ですので、気兼ねなく協会に参加してもらえればと思っています。そして、できたら協会の中で動いている様々なプロジェクトやタスクに積極的に参加してみてほしいですね。
ーー 今回は本当にありがとうございました。
インタビューを終えて
いつも粛々と準備を進めてくれるSunaさん。普段は海外にいることもあり、中々お話しすることができなかったので、今回のインタビューはとても貴重な経験でした。
Sunaさんが経験したNPOにおける寄付の問題、Web3技術を活用した寄付での問題といったお話は私の普段の仕事では知ることがなかったものでした。問題を解決しようとする中で、RMDや日本DAO協会に参加され、そして活躍されているSunaさんは社会をより良く変えていきたいと考えている一人であるということを改めて感じました。
ということで、Sunaさんのように海外にいながらも日本DAO協会の活動に参加できます。
海外から日本のDAOを盛り上げて行きたい方、あるいは新しい知見を求めている方は、ぜひ日本DAO協会へご参加下さい。お待ちしています!
この記事を書いた人
- web3の技術に将来を感じ、HekakuコミニティなどのWeb3コミニティに参加し活動中。昼間は食品企業で知的財産関連の業務に携わっている。趣味はテコンドー、クライミング、ランニング。