2024年4月8日合同会社型DAOの解説イベントでの質問の回答をご紹介します!

2024年4月8日に開催されたイベントにて、RULE MAKERS DAO(RMD) Co-founder/日本DAO協会/弁護士のmacさんに「合同会社型DAO」について解説していただきました。

イベントでの質問の回答をご紹介します。

イベントのレポートはこちら▼

「合同会社型DAO」とは?弁護士macによる「合同会社型DAO」の解説イベントを開催しました

2024年4月8日、4月1日公布4月22日施行の「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」との関係を含めて、「合同会社型DAO」について…

目次

Q.DAOで法人格を持っていても、法人税は税務署にて日本円で払うのでしょうか。

A.基本的には、既存の合同会社と同じ扱いになるため、税務署へは日本円で納税することになります。将来的にはステーブルコインで払えるようにならないか働きかけをしています。

Q.業務執行社員は、収益分配の上限がないという理解でいいですか。

A.実際に業務を担当されている業務執行社員については、上限はありません。

Q.DAOの規制について有識者と議論した中で、意見が大きく分かれたポイントは何ですか。その理由も教えてください。

A.合同会社型社員権トークンの取り扱いについて、二項有価証券としなくてもいいのではという話がありました。しかしながら合同会社で詐欺が横行した事例もあるために二項有価証券になった経緯があります。あるいは任意団体型DAOを使いやすくする方を優先するべきではないかとの意見もありましたが、NPO法人型DAOと合同会社型DAOを活用することで、任意団体の方のニーズを満たす形で議論されています。

Q.トークンの乱発にならないのでしょうか。新規トークンを発行するにあたってはどのような責任を持って発行できるのでしょうか。

A.イベントの記事内にある、想定ロードマップをご参照ください。

Q.暗号資産、NFTが入っているとクリプトの銀行口座の開設が難しいという懸念を払拭できる座組はありますか?

A.銀行の口座については緩和がされていくものと思われます。

Q.詐欺的なDAOから個人投資家を守る仕組みはあるのでしょうか。

A.イベントの記事内の想定ロードマップの項目で説明しています。また、日本DAO協会の提供する定款と各規程の雛形では、分散型の意思決定を定めており、資金を集めた人が実際にはやらない場合は、資金提供者らが自ら意思決定して、資金を使ってプロジェクトを進めることができます。 そして、雛形においては、詐欺となるような行為を行うと、一発で横領罪や背任罪にもなってしまうような設計にしてあるので、詐欺を一定抑止できるかと存じます。

Q.既存の合同会社から合同会社型DAOに変更することは可能ですか。定款が大きく変わるイメージですか。

A.合同会社としては同じなので定款を変えることで変更できます。定款を大きく変える必要がありますが、既存の株式会社も変更できます。ただし、VCがいる場合は注意が必要です。投資事業有限責任組合契約に関する法律」(LPS法)により、VCは合同会社の持ち分を取得することが出来ません。現状としては、VCでも合同会社の持ち分(社員権トークンなど)を保有できるように、働きかけをしています。

Q.合同会社型DAOの法人の場合、法務局に行って、その会社の存在を確認出来るのでしょうか。

A.できます。

Q.合同会社型DAOは合同会社の維持費用と同じですか。

A.従来の合同会社と同じ維持費用がかかります。

Q.DAOで法人を作るメリットは何ですか。

A.法人格があると、権利主体性をDAOとして持つことができます。さらに、有限責任が担保されます。また、スマートコントラクトが上手く機能していなくても、社員の不審な行為を定款や法律で制限できます。

Q.トレジャリーウォレットアドレスを公開することで犯収法との関係でKYC証明がされ安全性が担保される認識であっていますか。

A.必ずしもそうとは限りません。DAOで犯収法の対応ができる環境制度作りを進めていくように提言していますが、現状、反社が入らないような仕組みにはなっていません。将来的にはKYC認証されたウォレットアドレスを登録してもらい、それをチェックすることで直接本人確認しなくても反社が入ってこない仕組みを作ろうとしています。

Q.合同会社型のDAO組織が増えた場合に、それらの組織の会計監査を行う監査法人、税理士事務所の数も必要になると思います。それらへの啓蒙活動は今後予定されていますか。

A.日本DAO協会、RULEMAKERS DAO、自民党PTの文書等でも税務関係について言及しており、啓発もしています。

Q.ロゴ、商標登録、銀行口座の開設には個人または法人格が必要なので、法人格なき社団としてDAOを設立するメリットは少ないという認識であっていますか。

A.合同会社型のDAOにすることで、DAOに法人格を持たせることができるため、商標登録、特許申請、銀行口座の開設などを個人名義ではなく法人名義としてできるようになります。課題であった個人名義の場合に権利が勝手に移転されてしまう問題を防ぐことができます。

Q.現状でも法務局に行って合同会社を作り、トークン発行しても良さそうに思いますが、合同会社型のDAOを設立するメリットは何ですか。

A.現状トークンの発行は誰でもできます。ただ合同会社型のDAOにするとトークンで資金調達を行うことができます。または組織のガバナンスをトークンで分散させることがメリットになります。

この記事を書いた人

Yo-Yo(コンドウ ヨウイチロウ)
Yo-Yo(コンドウ ヨウイチロウ)
web3の技術に将来を感じ、HekakuコミニティなどのWeb3コミニティに参加し活動中。昼間は食品企業で知的財産関連の業務に携わっている。趣味はテコンドー、クライミング、ランニング。