合計62団体が出展!「ソーシャル Innovation EXPO 2025 Winter〜Locanet(ロカネット)〜」を合同会社BACwithと共催しました(12/20イベントレポート)

2025年12月20日(土)、名古屋・ウインクあいち(愛知県産業労働センター)にて「ソーシャル Innovation EXPO 2025 Winter〜Locanet(ロカネット)〜」が開催されました。日本DAO協会は、合同会社BACwithと本イベントを共催し、セッション(第二部)とリアルのブース出展を担当しました。
当日は、全国から合計62団体が出展(前回6月イベントの約3倍)し、来場者はリアルのべ400名、メタバース200名の合計600名(前回の約2倍)と、会場・オンラインともに多くの方に参加いただく回となりました(※来場者数は主催者発表)。
本記事では、イベント全体の概要と、日本DAO協会が担当した「DAOをエンパワーする」プログラム(セッション・ブース)を中心に、当日の内容と雰囲気をレポートします。
目次
Locanet(ロカネット)とは

イベント概要
Locanet(ロカネット)は、企業・自治体・団体・個人が一堂に会し、地域や居場所の未来をつくるアイデアや実践事例を共有し、コラボレーションを生み出すことを目指すイベントです。
また今回は、リアル会場に加えて、メタバース展示会「デジタルロカネット」も同時開催されました。
前回6月はDAOの出展が中心でしたが、今回はDAO以外の非営利コミュニティも多く出展し、DAOという新しい共創の形を広める機会にもなりました。
- イベント名:ソーシャル Innovation EXPO 2025 Winter〜Locanet(ロカネット)〜
- 開催日時:2025年12月20日(土)12:00-18:00(開場12:00)
- 場所:ウインクあいち(愛知県産業労働センター)7F 会議室701〜705
- 主催:合同会社BACwith
- 共催:一般社団法人日本DAO協会、ソーシャルノバ
- 参加費:無料
セッション構成(第一部〜第三部)
当日のセッションは、以下の三部構成で実施されました。
- 第一部:二地域居住とデジタルノマドの最前線
- 第二部:DAOが拓く地方創生の未来
- 第三部:市民が仕掛けるルールメイキング革命
日本DAO協会は「DAOをエンパワーする」をテーマに、第二部のセッションとリアルのブース出展を担当しました。
イベント概要について詳しくはこちら
日本DAO協会の担当セッション(第二部)
セッション①:DAOをエンパワーするセッション(協会の取り組み/DAO事例)
本セッションでは、日本DAO協会が「DAOをエンパワーする」ために取り組んでいる活動やDAO事例を紹介しました。
1) 上泉 雄暉さん(日本DAO協会 Rep Holder):日本DAO協会の概要
冒頭では、上泉さんから、日本DAO協会が目指す世界観と活動目的が共有されました。協会は、「あらゆる垣根を越えて、共通の想いを持った人々が協働し、自らが望む未来を実現していく世界」をビジョンに掲げ、
- DAOが健全に発展できる仕組みづくり
- 日本でモデルケースをつくり世界へ影響を与えること
- 資本主義・民主主義を刷新すること
を目的として活動していることを伝えました。
2) 澤 海渡さん(DAO設計士):日本DAO協会における「DAOの定義議案提案」
続いて澤さんからは、協会内でこの半年間取り組んできた「DAOとは何か」という定義議論について共有しました。
澤さんは、協会が「DAOが健全に発展するエコシステムをつくる」立場である以上、協会自身がまず“健全なDAO”として機能するための憲法(共通の軸)を持つ必要があると提起しました。定義が曖昧なままでは、判断基準が人や空気に依存し、結果として納得感や再現性を損ねてしまうという問題意識から、合計12回にわたってDAOとは何かという根源的な問いに向き合ってきたという経緯が説明されました。
そして議論の到達点として、次の考え方が提示されました。
DAOとは、「独自の価値」の創出を軸に、律(ルール)と分(ロール)によって、集合(全体)と要素(個)の目的が両立・最適化されるよう設計された、透明で流動的な組織体である
澤さんは特に、DAOの駆動力は金銭的報酬だけではなく、「体験」「文化」「信頼」「熱狂」のような内発的な「引力(独自の価値)」にあること、そしてその引力を“属人的な善意”に頼らず、ルールとロールの設計で支え、透明性と流動性をもって更新可能な仕組みにしていくことが重要だと強調しました。
なお、この定義はより多くの視点から問い直し、磨き上げていくための草案として提示されたものです。今後、協会内の意思決定プロセスを経て最終的に決定される予定です。

「DAOの定義議案提案」セッションの様子
3) 峯 荒夢さん(日本DAO協会 Rep Holder):協会の取り組み(合同会社型DAOの支援)
峯さんからは、協会が特に力を入れている合同会社型DAOの立ち上げ支援に関連する取り組みを紹介しました。合同会社型DAOは、合同会社のスキームを活用したDAOの形であり、2024年4月に実現可能となった新しい枠組みだからこそ、立ち上げにあたっては法務・技術・実務等の観点で検討すべき点も多く、個人や一団体だけで準備を進めるのが難しい場合もあります。
そこで協会では、立ち上げに向けた支援として、合同会社型DAOのリスクレビューやモデル定款・規程の整備、さらにアクセラレーションプログラムなどに取り組んでいることを共有しました。
4) 杉山 滉平さん(合同会社BACwith コアメンバー):e彦根DAOの紹介
DAO事例として、合同会社BACwithのコアメンバーである杉山さんから、「e彦根DAO」の紹介がありました。空き家という地域課題を入口に、拠点の活用やイベントづくりを通じて、人が交わり続ける関係性を育てていく取り組みが共有されました。
5) 峯 荒夢さん(日本DAO協会 Rep Holder):その他のDAO事例
続いて峯さんからは、「美しい村DAO」、「ぐんま山育DAO」など地方創生の文脈で展開されている複数のDAO事例や、「abode Villa GORA 八代別邸」等不動産の共同所有モデルなどが紹介されました。DAOという枠組みが、さまざまなテーマへ広がっていることが示されました。
セッション②:合同会社型DAOアクセラレーションプログラム参加者ピッチ
後半は、合同会社型DAOアクセラレーションプログラム参加者によるピッチが行われました。地域課題を起点にした3つのDAO構想が発表され、賛同者・参加者募集が行われました。
1) 須波DAO(MISIAさん):空き家を“処分問題”から“関係づくり”に変え、「学びと遊びが停泊する港」をつくる
須波DAOは、広島県三原市・須波エリアを対象に、空き家活用を通じた関係人口の創出を目指す構想です。問題意識として語られたのは、かつて別荘地として栄えていた須波が、年々空き家率の増加とともに少しずつ輝きを失いつつあるという点でした。
そこでMISIAさんは、空き家を「処分すべき問題」ではなく「関係が生まれる入口」として捉え直し、地域内外の人が無理なく関わり続けられる「学びと遊びが停泊する港」として再生していくビジョンを共有しました。
まずは古民家をDIYでリノベーションし、学生が学び、旅人が交わる拠点へと変えていくこと、さらに三原市で地域トークン(ヤッサコイン)を活用した取り組みを行う三原DAOとの連携を視野に入れていることが語られました。

「須波DAO(MISIAさん)」ピッチの様子
2) ポポもDAO(sabiiさん):ポポー最中を起点に、適材適所を最大化する“いばしょづくり”
ポポもDAOは、広島県神石高原町を舞台に、ポポー最中を起点として地域活性化を目指す構想です。ポポーは北アメリカ原産のフルーツで栄養価が高い一方、日本では生産量が約20t/年前後と少なく、「幻のフルーツ」とも呼ばれています。
sabiiさんは道の駅で偶然ポポーと出会い、そのおいしさに衝撃を受けたことをきっかけに、ポポーを名産品にしたいと考えたそうです。栽培に時間がかかる一方で売値が安いという背景から、加工品として最中を開発することを決めたという経緯も共有されました。
ポポー最中プロジェクトを起点に、地域内外の人がそれぞれの強みで関われる形を増やし、適材適所を最大化しながら、いばしょづくりや「関わりしろ」を生み出していく考え方が語られました。

「ポポもDAO(sabiiさん)」ピッチの様子
3) Nagasaki EV DAO(no6u/野村耀平さん):小型EVを起点に、移動を「地域貢献」に変え、持続可能な仕組みをつくる
合同会社tri-Be(合同会社型DAO)によるNagasaki EV DAOは、小型EVを起点に、長崎県での移動課題の解決を目指す構想です。no6uさんから、交通空白や免許返納後の移動の難しさ、通院・買い物といった生活維持の負担など、中山間地域で顕在化しやすい課題を背景に、小型EV活用を軸とした解決を目指す方針が示されました。
特徴的だったのは、移動を“地域への貢献”とつなげる具体的な設計です。小型EVの予約時に、買い物代行などの地域貢献クエストを任意で選べる形にし、移動やクエスト達成に応じてポイント(トークン)を付与する。貯まったポイントはEV利用割引や提携店特典に活用できるようにし、リース・整備・保険・システムなどの運営パートナーとも連携しながら、参加者全員が受益者となる持続可能なモデルを構築していく方針が語られました。

「Nagasaki EV DAO(no6u/野村耀平さん)」ピッチの様子
3者に共通していたのは、地域の特性や課題を踏まえつつ、地域内外の多様なステークホルダーと共創しながら価値を高めていく姿勢です。ピッチを通じて、各参加者の地域活性化に向けた強い想いが伝わりました。
ブース出展(リアル×メタバース)
ブースは、リアル会場とメタバースの同時開催でした。全国から62団体が出展し、DAOだけでなく、デジタルを活用して社会課題解決や居場所づくりに取り組む非営利コミュニティも多く参加していました。
日本DAO協会としてもブース出展を行い、DAOやコミュニティ間での知見共有や、仲間との出会いが生まれる場になりました。

Locanetの出展団体一覧(62団体)
出展団体について詳しくはこちら
イベントを終えて
今回のLocanetは、二地域居住や空き家対策など地方創生の最新動向、DAOの可能性と実践事例、ルールメイキングがもたらす力などを横断的に知れる機会であり、「より良い社会のために行動する」志ある仲間たちと出会い、交流する場になりました。
また、前回6月に開催した時から規模が拡大し、リアルに加えてソーシャルノバ提供のメタバース出展(デジタルロカネット)も実施されたことで、DAOに限らない多様な実践者が集まる場へと進化していることを感じました。
次回は、人とのつながりや新しい活動が生まれる機会の創出など、体験価値をさらに高めていくことにも挑戦していきます。
DAOをまだ知らない方にも「社会課題解決や居場所づくりの手段」としてDAOの可能性を知ってもらえるよう引き続き活動していきたいと思います。

合同会社BACwithと日本DAO協会、ソーシャルノバのコラボレーションにより実現しました
この記事を書いた人

- 日本DAO協会レップホルダー。協会のコミュニティ・組織運営、広報周りを担当。普段はIT企業の会社員として働きながら、新しい組織であるDAOのカタチを探究中。





